私個人の考えとしては、なかなか難しいのではないかと思います。
新築マンションなど、一部の不動産では可能だと思いますが、大多数の不動産では難しいのではないかと思います。
映像技術・情報技術等が進化したことにより、実際に現地に行かなくても、ネット上の情報だけで多くのことを判断できるようにはなっていると思いますが、不動産という商品が高額であることと、なかなか数字に表すことが出来ない、人間の感情的な部分に依存した判断基準を無視出来ないのではないかと思います。

私は11年間の営業活動の中で、その大部分を売主様側の仲介という立場で不動産売買を行ってきました。
30坪の土地を売るのに、売主様の売却のご事情やご希望をお伺いし、価格だけではなく、権利関係の確認、法令上の調査、近隣との関係など、多くのことを調べ、売主様と確認しながら成約に至ります。
司法書士や税理士、金融機関、測量士やリフォーム業者・工務店、引っ越し業者や家財道具等の処分業者の方など、多くの人間がかかわってひとつの売買が成就します。
簡単な売買などひとつもありませんでした。

ひとつとして同じものが存在しない不動産ですから、イレギュラーな問題が発生することも多々ございます。不動産売買は、ご相談からお引き渡しまで、専門家が責任をもってフォローしていくべき取引だと私は思います。
売主様にしても、長年住み慣れた思い入れのある我が家の売却となれば、価格だけが全てではないと思います。
実際に私がご自宅の売却を仲介させていただいたお客様には、お取引にとても満足していただき、買主様とも仲良くなり、いまでは定期的に売主様買主様のご家族でお食事に行かれるような関係になられた方もいらっしゃいます。

売主様は「少しでも高く売りたい」 買主様は「少しでも安く買いたい」というのが人間の心情ですので、売主様も買主様も大満足な結果となる取引は決して多くは無いかもしれません。しかし、仲介担当者が真実をしっかりとお伝えし、お客様と二人三脚で不動産取引を進めていくことで、きっとご納得いただける成果に結び付けることが出来ると私は考えております。
不動産のご売却をお考えのお客様、ぜひ安心してご相談ください。

私が仲介をさせていただいたお客様のお話です。
 ご結婚されたときにはご夫婦二人でアパート暮らし、お子様の誕生を機にちょっと無理をして庭付き・駐車場付きの一戸建を購入。
 一生懸命働いて住宅ローンを返済しながらも、三人のお子様に恵まれたこともあり、部屋数が足りないということで思い切って増築工事を実施。30年間のローンの支払いの終わりが見えてきたころにはお子様が独立していき、使わない部屋が増えていく。介護が必要な高齢の親御様と同居していたけれど、他界されたあとはご夫婦お二人での生活。
 自分たちはまだまだ元気だと思っていたけれど、2階のベランダに洗濯物を干しに行くのも、庭の雑草を抜くのもなんだか億劫になってきた。いまは車を運転しているけど、車に乗らなくなったら買い物に行くのも決して楽ではない。家族5人で暮らしてきた我が家も、いまではほとんど1階だけで生活をしている。大規模なリフォームをするつもりはないけれど、ところどころ手を入れなければならない部分が増えてきて、それなりに費用がかかる。
二世帯住宅への建て替えも考えたことがあるけど、3人の子供のうちの一人と暮らすことで、将来相続で揉めてしまうのではないかと不安もある。
 子供たちにとっては思い入れのある実家だろうし、自分たちも大きな思い入れがあるけれど、誰もこの家を継がないのであれば、いっそのこと駅近くのマンションに買い替えた方が良いんじゃないかと思うようになってきた。

 このお客様は結局、ご自宅を売却して、その売却資金の半分ほどの金額で中古マンションを購入しお引越しされました。

 「長年住み慣れた我が家」への思い入れは誰でもとても大きいと思いますが、家族構成や生活スタイルは変わっていきます。いまの自分たちの状況や、10年先20年先の生活を考えて、「終の棲家」を考えてみても良いのではないでしょうか。お客様一人ひとりご事情は異なりますが、「夢のマイホーム」「思い入れのある我が家」に縛られて不便な生活をされるのであれば、思い切って住み替えを考えるのも選択肢のひとつではないでしょうか。

相続なんて将来のことだし、自分がいなくなってからのことだから葬式代だけ残しておけばいいだろう…というように考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、もしも相続が原因で相続人たちが不仲になってしまったらと思うと、他人ごととは言っていられないのではないでしょうか。
 私の経験上ですが、不動産売却のご相談のなかで、相続・相続対策による売却はとても多くありました。いろいろなケースを担当させていただきましたが、どのケースを見ても、「完全に平等な相続」というものは無かったように思います。
 法定相続通りに遺産分割をするのが最も公平で、こじれることはないのではと思うかもしれませんが、現実はそんなに単純には進みません。被相続人の面倒を一番よく見てくれた方や、本家を継いで一緒に生活している方が心情的に納得出来ないという話は多く伺いました。
 不動産にしても、相続人全員が納得する遺産分割方法を見つけるのはなかなか大変です。なぜなら、相続税評価金額と、実際に市場で売買される金額は大きく異なることが多いからです。ご家族が居住する居宅と、駐車場で貸している土地が同じ相続税評価額だったとしても、市場での売買金額は当然変わってきます。売りたくても売れない不動産とすぐにでも高値がつく不動産とでは、例え評価額が同じでも、やはり不満を持つ相続人が出てくる可能性もあります。「そんなことを言ったらどうにもならないじゃないか」と言われてしまうかもしれませんが、実際そうだと思います。
 あくまでも主観ですが、「相続人全員が納得する平等な相続」というのはほんとんど無いのでないかと私は思います。ではどうするかですが、少しでも早くから公平な第三者である専門家に相談して、時間をかけて対策していくことだと思います。
 相続において最も優先されなければいけないのは被相続人の意思だと私は考えております。あまり知られていないかもしれませんが、実は、公正証書で正当な遺言書を作成していたとしても、相続人全員で遺産分割協議をすることで、相続内容を変えてしまうことも出来ます。遺言能力のある正当な遺言を準備していても、「故人の意思が尊重されない」ということも稀ではありますが存在します。そこまで心配する必要はないかもしれませんが、生前贈与や保険の活用なども含めて、早くから専門家に相談されるのが良いと思います。

ご所有財産が大きければ大きいほど、心配ごとも多いと思います。先祖代々受け継いてきた土地を自分の代で手放したくないという想いや、自分の子供たちには同じ苦労をさせたくないというお話もよく伺います。
 相続税対策というキーワードで検索すれば、税理士事務所を中心にとんでもない量の情報が出てくると思います。私は不動産のプロなので、不動産的なお話しだけ少し触れさせていただきます。
 相続税対策として、アパートやマンションなどの投資用不動産を建築することは一般的ですし、実際に大きな節税効果があります。しかし、車で街を走っていると、いくつも新築物件が建築されていたり、駅からかなり離れたへんぴな場所でもいくつもアパートがあったります。果たして全ての物件が上手く稼働しているのでしょうか?決してそんなことはありません。賃貸物件の入居率も家賃相場も市場の需要と供給のバランスのうえに成り立っていますので、競合します。立地が悪ければ1年中空室がある物件もありますし、場所が良くても間取りや造りが古いためにどんどん家賃が下がってしまう物件だってあります。満室保証をうたうアパート建築業者も多く存在しますが、赤字になってまで満室保証を続けられるわけがありません。
 アパート等の建築は相続税対策には有効ですが、賃貸収入を得るためにはやはり専門家のアドバイスが必要だと思います。どれくらいの耐用年数の建物を建築するのか、将来相続が発生したときに節税効果が得られるのか、どのメーカーで建築するか、管理はどうなるのか、考えなければいけないことはたくさんあります。ご所有不動産の立地があまり良くないのであれば、買い替えも視野にいれる必要があるかもしれません。
 私自身、個人で土地を購入してアパートを建築しましたが、不動産の仕事に従事しているのに、考えることや悩むことはたくさんありました。
 不動産を活用して節税を考えるのであれば、不動産のプロだけでなく、税金のプロ、法律のプロも交えて対策をしていくべきだと思います。